量子コンピュータ

量子コンピュータ(りょうしこんぴゅーた)とは、量子物理学の原理を利用し計算を行う、次世代のコンピュータの事である。

★概要★
量子コンピュータは、量子情報を用いて、従来の情報の取扱量の最小単位であるビットの代わりに、情報を量子力学的2準位系の状態ベクトルで表現するというもの。
普段私達が使用しているコンピュータは、0と1のどちらかしか用いる事ができないが、量子コンピュータは、0と1を重ね合わせて用いる事ができるため、スーパーコンピュータが計算しにくい計算も数秒で計算できる特徴をもつ為、最近注目を集めている。
近い将来、スーパーコンピュータを超えるコンピュータとして、活躍を期待されるだろう。
国立情報学研究所の山本喜久教授の研究チームが開発を進めている「レーザーネットワーク方式の量子コンピュータ」に関し、実マシンを使用した動作原理の確認に成功したことがわかっており、2019年の完成に大きく前進をみせている。

2014年9月3日に、Googleが超高速量子コンピュータチップの開発に着手したことを発表。
これは、人間のように思考する機械の開発というビジョンに向けた研究の一環らしい。
また、東京大学大学院工学系研究科の古澤明教授の研究グループおよびNTT先端集積デバイス研究所は、量子テレポーテーション装置の心臓部をチップ化に成功し、画期的成果としている。
2015年7月、東京大学先端科学技術研究センターの中村泰信教授らによる研究グループは、超伝導量子ビットおよび直径1mm磁石のコヒーレントな結合に成功した。
2015年8月20日(現地時間)にはカナダの商用量子コンピュータメーカーD-Wave Systemsが新モデルの量子コンピュータ「D-Wave 2X」を発表。これは「古典的コンピュータ」すなわち「現行のコンピュータ」より「最大で600倍高速に計算できる」と主張している。
また、「D-Wave」が従来のコンピュータよりも1億倍速い速度で「最適化問題」を解決したと発表した。

2016年4月頃には、デンマークのオーフス大学の物理学者たちが直面した量子力学に関する問題を解決する為に「Quantum Moves」というプロジェクトを始めた。
これは、量子計算の最適化問題をゲームで解決するというユニークな方法をとっていて、
ゲームをプレイすることで最先端の量子力学の研究を手助けすることができる。

2016年8月4日(現地時間)には、米国のメリーランド大学が世界初の「汎用計算可能な量子コンピュータモジュール」を開発し、またそれに関する論文がNature誌に掲載されたことを発表した。

また、2017年1月10日頃には、「研究」の段階から「開発」の段階へと踏み出すとNatureが発表した。

2017年4月6日には、メリーランド大学の研究チームが高速検索アルゴリズムの実行に成功したと発表した。

★外部リンク★

・「日本独自の量子コンピュータ」についてのITproの記事

・新しい情報社会の扉を開く量子技術-国立情報学研究所(PDFファイル)

・米グーグル、量子コンピュータの独自開発に乗り出す

・量子テレポーテーションの心臓部をチップ化――量子コンピュータ実用化へ「画期的成果」-EE Times Japan

・超伝導量子ビットと直径1mm磁石のコヒーレントな結合に成功 -EE Times Japan

・新型量子コンピュータ「D-Wave 2X」を発表、現行計算機より「600倍高速」と主張 -ITproより

・Googleの量子コンピュータ 従来型PCの1億倍速いと発表

・プレイすると現実世界の量子コンピューター開発を手助けできるゲーム「Quantum Moves」-Gigazineより

・米メリーランド大学、世界初となる「汎用計算可能量子コンピュータ」モジュールを開発

・量子コンピューターは2017年に「研究」から「開発」の段階に移行するとNatureが発表 -Gigazineより

・量子コンピューターで、高速検索アルゴリズムの実行に成功 -MIT Tech Reviewより

  • 最終更新:2017-04-14 23:52:03

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